遠近法ノート

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

オススメ記事

イラレで特色を使った印刷物のデザインをする場合、既存のDICスウォッチを使うのはやめて、RGBでスウォッチを作る

以下の記事は、Adobe Illustratorを使用した特色データ作成のコツです。ただしこれは、正しいデータの作り方とか、RGB入稿とか、そういう話ではまったくありません。特色をCMYKで出すやつとも無関係です。印刷通販の入稿ガイドなどとは、まるっきり違う話を…

フォント作成時のカーニング確認用ひらがなカタカナペア

ひらがなすべてのペア.xlsx カタカナすべてのペア.xlsx エクセルのデータです。記号など追加することもできます。 ひらがなカタカナすべてのペア・タテヨコ.zip イラストレータファイルのセットです。 ひらがなすべてのペア・タテ.ai ひらがなすべてのペア・…

ほんとうはもっとややこしいドクター・スミス問題

本稿は、『人はなぜ物語を求めるのか』(千野帽子、ちくまプリマー新書)を足がかりに、いわゆる「ドクター・スミス問題」について考察するものです。ついでにその出所(元ネタ)も探ります。 このなぞなぞは、正解に達して終わりというものではありません。…

等幅半角の欧文フォント「Noto Sans Mono Extra Condensed」

最近発見したんですけども、Google Fontsにある「Noto Sans Mono Extra Condensed」って等幅かつ半角の欧文フォントなんです。 なぜ今まで誰も気がつかなかったんだ……。プログラミング向けの等幅フォントであるNoto Sans Monoには、標準のほか、Semi Condens…

立って仕事できる環境を整えてみた

スタンディングデスク導入の問題点として、あれらはたいていノートパソコンで使うのが前提になっています。ですけど、デザインの仕事は大きめのディスプレイを使うわけです。よくあるタイプのスタンディングデスクではお話になりません。かといって、あまり…

上製本の背の作りについて

上製本の背の作りの分類 上製本、というのはいわゆるハードカバーの本のことですが、現代の製本では、その背の作りは以下の図のように分類できます。 上製本の背の作り まず、上製本には丸背と角背があります。丸背の上製本は、背と本文とが直接は接着されて…

デザイン/DTP環境をMacからWindowsに移行してみた

仕事用のメインマシンをMacからWindowsに変えてみました。自分はWindowsも長く使っているんですけど、それでも、移行にはそれなりに障害がありましたので、引っかかりどころと解決をいくつか書き残しておきます。サブマシンとしてのWindowsを検討してる方に…

InDesignの正規表現スタイルで下線を引こう

InDesignの下線機能なんですが、こんな感じで文字スタイルを当てて強調に使ったりしますよね。 こういうケースならいいんですけど、下線は文字幅いっぱいまでしか付かないので、デザインによっては、前後に余裕がないのが気になることもあります(下図は罫に…

InDesign「プレビュー表示切り替えボタン」を作れば作業がはかどる!

デザイナーの中には「デザインにはグリッドやフレームが邪魔」なもんだから全部隠して作業するタイプの方が、結構多くいらっしゃるようです。 また、印刷方面では「印刷されない要素が画面に見えてると事故の元」との考えから、グリッドやガイドの類いを全部…

正規表現でかな詰めの範囲を制限してみる。

以下、InDesignの文字組版とフォントの知識がある方向けです。 中級以下の方は読まないほうが良いです。ここ1年くらいのあいだに、ようやくInDesignの仕事環境をCS3/5からCS6に移行することができました(CCに移行するのは4年後くらいかな……)。 近年のめぼ…

なぜ、Webのカレンダーって過ぎた日付にバツ印とか入れないんだろうな?

紙のカレンダーで、過ぎた日付にバツ印なんかを入れるの、やってる人は多いと思うわけで*1。僕も✓印とか入れてるんだけど。コンピュータのカレンダーだったら、自動で過去の日付が分かるようになれば良さそうなのに、そうなっていない。 GoogleカレンダーもY…

自分は自分の主人なのか? ハインライン『人形つかい』と操りについて考えていたら『デカルトの密室』に行き着いた。人形つかいと人形使いと人形遣い。

昨年夏、『月は無慈悲な夜の女王』を読んで、もやもやしたままに終わってしまったので、ハインラインの他の代表作も読んでみようと『人形つかい』を手に取りました。 『人形つかい』は侵略テーマの古典SFで、こんなふうに始まります。アメリカの片田舎に宇宙…

イラレの円は本当は円じゃない(もしくは時空の裂け目について)

Illustratorの楕円ツールで書く円は、本当は円(wikipedia:円 (数学))ではなくて、近似値なんです。つまり、円としてはわずかに歪んでいるわけ。これはベジェ曲線(wikipedia:ベジェ曲線)というものを使う以上、そういう仕様なのですね。 ……ということを、…

革命か?テロか? ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』を読んで、「これってミステリなんじゃね?」と思ったんだけどそういう話でもなくて、でもやっぱり解決に至れずもやもやする件について。

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 1748)作者:ロバート・A. ハインライン早川書房Amazon 映画『スターシップ・トゥルーパーズ』と原作『宇宙の戦士』 『スターシップ・トゥルーパーズ』(1作目)という映画を見たことがあるでしょうか。あれです。巨大…

まにまに丸ゴチックの「も」ができるまで。

まにまに丸ゴチック制作途中のキャプチャ動画です。 「も」をIllustratorで書いてます。書き始めからとりあえずの完成まで約25分。動画は約9分に圧縮してます。

目次と扉のノンブルについて。扉にノンブルが入っててもいいじゃない?

以下、書籍制作に関わる人以外は読まないほうがいいです。書籍制作では、扉にはノンブルを入れない(隠しノンブル)というのが常識みたいになっていますよね。でも、それってどうなんだろうか? 「扉にノンブルが入っててもいいんじゃないの」って思ったこと…

看板書きの流儀。

先日、母の一周忌の法要を終えました。 その翌日のこと、実家に居てはすることもなく、暑くて出かけることもできねえ! んで、たまたま、父が近所の神社で開かれる演芸大会の演目を書くアルバイトをしていたので、日がな一日それを眺めて過ごしました。 えー…

プロポーショナル組みと行頭禁則と美術展の図録

プロポーショナル組みは新しい? 自分の仕事が出版方面のデザインなので、ついつい書籍・雑誌を中心に話をしてしまうんですけど、同じ印刷物でも、ちょっとジャンルが違うと別種のお約束がまかり通っていたりするものです。 書籍・雑誌の本文組では、ベタ組…

InDesign+OpenTypeFontにおける、ダブルクォーテーションとノノカギの問題点についてのまとめ。

やや古い仕様のOTFで「ダブルクォーテーション」を使うと、ダブルクォーテーションがノノカギ(ちょんちょん)に入れ替わります。一見便利なようですが、いらぬお世話であり、端的に言えば文字化けです。ダブルクォーテーションマークとノノカギは別の文字で…

富豪的正規表現で常用漢字とか色分け表示すれば幸せになれる人がいるかもしれない。

テキストエディタに、色分け表示ってありますよね。プログラムやHTMLのソースを表示するのに使われてるやつ。あれって普通の文章書きにも使えるんじゃないかと思うんですよね。たとえば「」(カギ括弧)の中を色文字にするとか簡単にできるわけで。それはさ…

僕が勝手に考える理想の(というか妥当な)InDesign文字組版。

僕が思うに、書籍や雑誌の本文組版*1って、大きくつかむとせいぜい2、3パターンだと思うんです。後は細かなバリエーションがありうるだけで、組版ソフトがなんであろうと、それほど難しいものではないはずなんです。 以前にも書きましたが、InDesignには14種…

禁則処理について改めて考えてみた。

ある日ふと、©(まるしー)って行末禁則だよな、と思いつきまして、これをきっかけに改めて行頭行末の禁則処理キャラクタについて考えてみました。 下の画像は、InDesignの禁則処理セット。デフォルトの「弱い禁則」と、僕が作成してみた禁則セット*1です。 …

「文字ツメ」と「オプティカルカーニング」について。

あちらの掲示板に書きこもうかなと思ったんだけど、なんだか埋もれそうなのでこちらに書きます。 「文字ツメ」。あれは補助的な機能だと思っています。僕はたまにしか使いません。小見出しとかリード文とかで、全体的に詰めが足りなくて、でも手作業でカーニ…

InDesignの文字組み。

段落スタイルは階層で管理すればいい。 なにかと複雑なインデザインの文字組みなんですが、段落スタイルに階層構造を作ると管理がしやすくなります。 すべての段落スタイルを「標準の段落スタイル」の子供にする(階層下に置く)ことで、文書全体の文字組み…

父に聞く その4

文字について 文字を描くのに参考にしたのは、先輩の描く文字と、新聞や雑誌の見出しでした。 レタリングの本とかなかったの? なかったらしいです。いや、ないこともないだろうと思うんですが、田舎には届いてなかったのかもしれません。 商業看板を手がけ…

父に聞く その3

映画は斜陽化 映画がカラーになったのも束の間、一般家庭にカラーテレビが普及し始めます。 どうやら娯楽のかたちが変化してきたようで、映画産業は徐々に斜陽化してきました。 かつて1週間だった上映期間が2週間に伸び、映画看板の仕事は減ってきました。そ…

父に聞く その2

映画看板の仕事へ 1962年(昭和37)、父は、映画の看板を専門とする○○画房に入社しました。 当時、市内には10館程度の映画館がありました。 そのうちの3館を擁していたのが○○興業で、映画館やホテルなどを経営する、県下ではよく知られたグループ企業です(…

父に聞く その1

父に聞いた話(主に仕事について)をまとめます。たぶん三回くらいにわけて。 中学卒業後、製版所に 父は1944年(昭和19)生まれ、中学校を卒業したのは1959年(昭和34)です。 近所の人が紹介してくれた○○写真製版所に入りました。忙しいからと手伝いを頼ま…

蚊取り線香のような渦巻きの作り方。

Illustratorを使って蚊取り線香のような渦巻きを作る技。 先日、会社で披露したら、やたらとウケました。 これは案外思いつかないものなのかな?●大きな円と小さな円を描き、中心で揃えます。 ●ブレンドツールで線を増やし、「分割・拡張」でパスに変えます…

約物の名前――ダッシュとプライムの件。

http://www.dtp.il24.net/tubo/ DTP BBSの「ダッシュ入力の件」とそのリンク先を読んで、さらにWikipediaの約物の項(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%84%E7%89%A9)などを参照し、今さらながら、あぁなるほどと思った。 印刷関連の本でダッシュ(―)の…