遠近法ノート

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

デザイン/DTP環境をMacからWindowsに移行してみた。

仕事用のメインマシンをMacからWindowsに変えてみました。
自分はWindowsも長く使っているんですけど、それでも、移行にはそれなりに障害がありましたので、引っかかりどころと解決をいくつか書き残しておきます。
サブマシンとしてのWindowsを検討してる方にも多少参考になるかもです。

キーボードについて

なにぶんMacのキー配置に慣れていて、小指でCtrlキーを押すショートカットとかちょっと無理! と言うわけで、「KeySwap」というソフトを使い、キー配置を変更します。
[左Alt]→[左Ctrl]に、[左Win]→[左Alt]とすれば、Macっぽく使えるようになります。

KeySwap

それから、スペースキー横の[無変換/変換]キーを、Mac風に[英数/かな]キーにする。
こちらは、ATOKのキーカスタマイズで、[変換]を[日本語入力ON]に、[無変換]を[日本語入力OFF]に変えています。標準のIMEでも変更は出来ますし、最近のWindows10アップデートでは、この設定がしやすくなったようです。

フォント管理

いろいろ試したところ、「FontBase」が最適との結論に至りました。
「FontBase」では、Windowsの「Fonts」フォルダを使わず(?)に、コピーしたフォントをシンプルにディレクトリとして読み込んでいるようです(※InDesignで使用した欧文フォントがパッケージされないという問題が。どうしたものかな)。
日本語化されてはいないものの、サンプルに和文を出すことは可能。操作に難しいところはありません。無料版でも機能は十分ですけど、そのうち永続ライセンスを購入しようと思っています。

FontBase

他のフォント管理ソフト

「NexusFont」使用者が多いということで試してみましたが、自分のところでは挙動が不安定で、まるで使い物になりませんでした。長くアップデートもされていないようで。

「Suitcase Fusion」Macでは長くVer.6を使っていて、以前からプライベートのWinマシンにもインストールしていました。ところが、Windowsアップデートのたびに挙動が怪しくなるので、6→7→8→9とバージョンアップ。Ver.8あたりから、ファイル名/フォルダ名に日本語が入っているとアウトになり(Windows版のみ)、その修正はされないという……。しかもそのままサブスクリプションに移行。完全にダメソフトになり下がりました。

「FontExplorer X Pro」いちおうWindows版が出ているんですが、まるっきりダメダメだったなあ。結構お高かったような気もするがなあ。

「Fontkeeper2」モリサワメインの使用であれば、そう悪くないかも。

テキストエディタ

Macで長く使っているのは「Jedit」です(急に思い出したけど、Jeditの全角/半角の置換テーブルは、20年ほど前に僕が要望してから搭載されたんですよね)。
その、「Jedit」に匹敵するWindowsテキストエディタが見つからない。
なんだかんだで使い慣れている「秀丸エディタ」に戻ってしまいました。しかし、設定のややこしさとUIのダサさはいかんともしがたい。各種「変換モジュール」(半角/全角変換や、変換リストによる置換)を追加したり、フォントを游ゴシックMediumに変えたりすれば、どうにか使えるようになります。

秀丸エディタ

変換モジュールライブラリ

他の候補と言えば「EmEditor」と「WZ Editor」くらいかな。
もちろん「LibreOffice」も使います。

ファイル操作

Windowsって、フォルダの中のアイコンは自由に配置ができないんです。自由配置が可能なのはデスクトップだけ。Windows7での変更でしたっけ。それ以前は自由配置が出来ていたんですよ。プライベートの使用ではそれほど不自由に感じていなかったんですけど、デザイン仕事でこれはきつい……!
自分はどうやらこれに慣れるのは無理そうです。
そこで導入したのが「秀丸ファイラーClassic」。これを使うと、Macや昔のWindowsみたいにアイコンの自由配置が出来るようになります。例によって設定のややこしさとUIのダサさはいかんともしがたく、時代が巻き戻った感があるんですけど(XPのUI再現を目指してるソフトなので)、フォントをYu Gothic UIに変更するなど、いろいろ調整していくと、だんだんなじんできました。
リネーム機能もあったりして便利。

秀丸ファイラーClassic

PSDのプレビュー/サムネイル表示

JPGやTIFFは問題ないんですが、PhotoshopのPSDファイルのプレビュー/サムネイル表示は、標準では出来ません。ところが「SageThumbs」というのをインストールすると、これがまあ見事に出来るようになるんですね。なんともありがたい。

SageThumbs

ゴミファイルの削除

Macからデータを持って来ると、「.DS_Store 」やら「._ファイル名」の不可視ファイルが大量にくっついてきます。Windowsには不要で邪魔なモノです。ファイル数が多いと手動で捨てるのは大変ですから、「カス削除くん」を使ってごっそり消します。

カス削除くん

メール

Thunderbird」を使っていたので、過去データをそのまま移行できました。
やり方は公式サイトその他を参照で。

Thunderbird

圧縮/解凍

「CubeICE」を入れておけば、Macから来たヤツもたいてい文字化けなく解凍できるので良いです。

CubeICE

フォント

こつこつ買いためた欧文のOTFはそのまま使って大丈夫。だいたい5ライセンスだし。Mac用のType1フォントとかはもう十数年使っていないので、自分は平気。和文フォントのモリサワパスポートとフォントワークスLETSは、2ライセンス必要(しばらくは移行期間を置かないと)なのでちょっときつい。Mac用TTフォントがいくつか使えなくなりましたが、まあこれは仕方ないでしょう。
ヒラギノ6書体はモリサワパスポートに含まれているので、過去にMacで作ったデータを開いたりするのは大丈夫。

AdobeCC

当面、2019をメインで使用することにしました。2020はスキップかなぁ?

InDesign CS6

プライベートのWinマシンには以前からCS6もインストールしてあって、たまに使うこともありました。これを移せばいいかなと思ったんだけど、そうは問屋が卸さない。
で、どうしたかと言いますと、まず、InDesign CS6のインストーラDVD(体験版)を入手して、これをインストール。AdobeCCで認証すると、製品版としてちゃんと起動できるようになります。しかしこれではアップデータが適用されていない8.0のまま。アップデートは動作しますが、実際にはアップデートされません。
そこで、すでにインストールしてあるInDesign CS6から日付が新しくなってるファイルをコピーしてきて上書き。すると、新マシンでも8.1として普通に使えるようになりました。
同じようにやって動かなかったと言われても知りません。保証外だとかいうツッコミはナシでお願いします。さすがにこれを常用するつもりはないですよ。

InDesignのバージョン判定

Macでおなじみの「Glee」に相当するのが「open_the_indd」。
ただし、即座にウイルスと判定され消されてしまうので、除外対象として指定する必要があります。「Windowsセキュリティ→ウイルスと脅威の防止→ウイルスと脅威の防止の設定→除外→除外の追加」です。

open_the_indd

移行してみて

致命的にダメな点はないですけど、現時点では、移行して良くなった点、というのもあまりありません。InDesignCS6と最新版を同時使用できるのはラクですし、マシンスペックが上がったので、動きはかなり軽くなったけど。UIの見た目や使い勝手はmacOSのほうが良いですからね……。
もちろん、MacMacで残してあります。10.9 Mavericksと10.15 Catalinaを別パーテションに入れたやつを。Windows版のない「Glyphs」も使わなくちゃならないので。
メインマシンをWindowsに移したことで、将来的にOSのバージョンとAdobeソフトのバージョンとの組み合わせで悩むことは減るかなという期待はあります。macOSはしばらくややこしい状況になりそうだし。
最新版かその一つ前を使うのが普通、みたいな状況になったら、また乗り換えるかもしれません。さてどうなりますやら。

InDesignの正規表現スタイルで下線を引こう。

InDesignの下線機能なんですが、こんな感じで文字スタイルを当てて強調に使ったりしますよね。

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こういうケースならいいんですけど、下線は文字幅いっぱいまでしか付かないので、デザインによっては、前後に余裕がないのが気になることもあります(下図は罫に点線を使って丸みを付けたもの)。

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そこでまあ、半角スペースなんか入れて、いっしょに文字スタイルを当てたりなんかしてたんですけど、これはなんとかならないのか?

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最近、以下のような方法があることに気がつきました。

正規表現スタイルで下線を引く

まず、下線部分の前後はカッコでくくります。カッコは他で使っていないもの、ここではとりあえず【】を使うことにしましょう。
下線部分の文字スタイルと、文字カラーを[なし]とした文字スタイルを作成(ついでにこの文字の前後はベタに設定しておきます)し、
段落スタイルのほうに、正規表現スタイルでこう入れます。

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すると、カッコは「文字カラーなし」が適用されて透明になりつつ、カッコを含めた文字列には下線が付きました!

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通常、文字スタイルは重ね掛けができないわけですが、「正規表現スタイル」を使うと重ね掛けできてしまうということは、知る人ぞ知る事実であります……。

【.+?】は【】にはさまれた文字列を表しています。
ちなみに、.は1文字を表す正規表現で、.+とすると複数の文字を表します。さらに?を付けるとこれは「最小一致」などと言いまして、1行の中に複数の【】が出てきたときに、小さいかたまりでまとめますよって意味です。

 

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カッコの「カラーなし」部分に長体かけたりという調整も利きます。
下線部分の前後にカッコが「テキストとして残っててもいい/むしろそのほうが好都合だ」というケースであれば、このやりかたは早くて確実です。

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図版ナンバーや注などに使うのが良いかと!

 

最近手がけた本

こちらではしばらくご無沙汰しちゃってましたが、ちゃんと生きて仕事しています。だいぶたまってしまったので、まとめて紹介!
今後はもう少しちゃんとUPしていきたいな……。

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『アニメCGの現場 2020』。表紙は「天気の子」。
今年はいっそう分厚くなりました。

アニメCGの現場 2020

アニメCGの現場 2020

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: ボーンデジタル
  • 発売日: 2019/12/17
  • メディア: 大型本
 

 

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 『グラフィックスプログラミング入門』。
表紙のイラスト(ドット絵)はBAN-8KUさん。
特色を使ってきれいな色に仕上がりました。

 

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その他、『運用設計の教科書』『わけがわかる機械学習』などなど。

 

わけがわかる機械学習 ── 現実の問題を解くために、しくみを理解する

わけがわかる機械学習 ── 現実の問題を解くために、しくみを理解する

 
伝わるメール術 だれも教えてくれなかったビジネスメールの正しい書き方

伝わるメール術 だれも教えてくれなかったビジネスメールの正しい書き方

 

 

 

最近手がけた本

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『アニメCGの現場 2019』。毎年恒例のやつです。
表紙だけでなく中面のフォーマットデザインも手がけてまして、毎回デザインは変えています。今の空気感を反映する感じかな……。なかなかきれいな誌面になったのではないかと。

アニメCGの現場 2019 ーCGWORLD特別編集版ー

アニメCGの現場 2019 ーCGWORLD特別編集版ー

 

 

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ちょっと紹介が遅れましたが、『ドラゴンクエストを支える技術』。いつものWEB+DB PRESS plusシリーズにスライムさんがやってきた!
ちなみに自分、ドラクエは1~4までやりました。

ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)
 

 

InDesign「プレビュー表示切り替えボタン」を作れば作業がはかどる!

デザイナーの中には「デザインにはグリッドやフレームが邪魔」なもんだから全部隠して作業するタイプの方が、結構多くいらっしゃるようです。

また、印刷方面では「印刷されない要素が画面に見えてると事故の元」との考えから、グリッドやガイドの類いを全部消す、という作業法を取ってる向きもあるようで。

でも、[表示]→[エクストラ]、[表示]→[グリッドとガイド]で、あれこれいっぱいあるガイド類を消したり表示させたりするのは面倒です(長年使ってる僕でもドレがドレだったか分からなくなるんですよね……)。

 

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そこで、です。
プレビュー表示の切り替えボタンを作りましょう。
これだけでだいぶはかどりますので、
ともかく、だまされたと思ってお試しあれ。

 

InDesignに「プレビュー表示切り替えボタン」を作ろう。

[編集]→[キーボードショートカット]→機能エリア[ツール]→[デフォルトとプレビュー表示設定間を切り替える]
これを選び、新規ショートカット欄に、キーボードからF1(ファンクションキーです)を入力し、割り当てます。

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これで、F1キーを押すごとに標準モードとプレビューモードが
切り替わるようになります。

いや、べつにF1じゃなくてもいいんですけど、
何か使いやすいキーを割り当てればいいんです。

で、これを頻繁にポチポチ押しながら作業するわけですよ。

 

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↑こんな感じで入れ替わります。

 

裁ち落としが見えてるほうが良いのならば、ツールから簡単に変更可能。

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すると……

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↑こうなるわけです。

 便利! かんたん!

 

ちなみにIllustratorでも。

[編集]→[キーボードショートカット]→[メニューコマンド]→[表示]→[ガイド]→[ガイドを隠す]に[F1]を割り当てすれば、ガイドラインの表示を切り替えできます。

例のやつ今年も作ったよ。

市販のカレンダーに不満があり、毎年自分のために作っている卓上カレンダーの2019年版です。
ダウンロードはこちらから↓

https://1drv.ms/b/s!AhC9NBFsYczQgYBAIGg3ksPLxcTn_Q

 

使い方:

  1. ダウンロードしたらAcrobat Rederでファイルを開き、プリンタでA4の紙2枚に印刷します。原寸で使用するので、印刷時に「サイズオプション」は「実際のサイズ」を選んでください。そうしないと少し小さくリサイズされちゃいます。
  2. 印刷できたら、カッターで切り離し。いきなりスッパリ切ってしまわず、補助線に定規を当てて、紙の両端を残して切り目を入れていくのがコツです。
  3. フロッピーケース(ツッコミ不要!)に入れて完成。

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特徴は、月末を斜線で略さず、6段にしてあること、曜日を英語でなく漢字にしてあることです。


これもう毎年書いてますが、今年も掲載しておきます。

市販カレンダーへの不満:

  • 月末を斜線でまとめるの禁止!
  • 仏滅とか大安とかそういうのはいらねー。
  • 曜日を英語で書くな。漢字がいいんだよ!

BOOTHにてフォントの販売を始めました。

お久しぶりの更新です。

フォント販売の件。これまでに製作したフォント、「なのゴシック」「まにまに丸ゴチック」は、ともに、DLmarketさんでの販売をメインにしていました。ところが、システム障害により、しばらく使えなくなってしまいました。そこで、新たにBOOTHというサイトにてフォントの販売を始めました。

 

BOOTHのことは、前からちょっと気になっていて、アカウントも取得していたんですよ。とはいえ、販売サイトを増やすのは手間ですからね……。

BOOTHでは、購入した品が「購入履歴」からいつでもダウンロードできる(これ重要です!)等、DLmarketよりもシンプルで優れた販売サイトのようですので、以後こちらをメインにしようかな。ほんとはMyfontsさん(けっこう貢いでるぞ)あたりで扱ってもらえるといいような気もするけど(とはいえ、海外で変な使われ方をされたら嫌かなぁ)……。

 

ところで、これまでにDLmarketで購入され、今ダウンロード出来なくて困っているという方がありましたら、遠慮せずメールにてご相談いただければ。当方としてもバージョンアップした版を使って欲しいので。

 

フォントの製作・販売は、あくまで余技なんですけれども、おかげさまで少しばかりは収入を得ております。

今後ともご支援をよろしくお願いします。