遠近法ノート

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

「文字ツメ」と「オプティカルカーニング」について。

あちらの掲示板に書きこもうかなと思ったんだけど、なんだか埋もれそうなのでこちらに書きます。
「文字ツメ」。あれは補助的な機能だと思っています。僕はたまにしか使いません。小見出しとかリード文とかで、全体的に詰めが足りなくて、でも手作業でカーニングとかしてる場合じゃねーなというときに、10%とか20%とか入れてみるんです。裏技的に、見出しの行頭の文字を揃えたいときに使うこともあるかな。本文に使うことはないですね。
かつてInDesignのヘルプ(と紙のマニュアル)には、日本語を詰める場合は「文字ツメ」を使いましょうみたいなことが書かれていたんですが、僕は文字通りには受け取らず、マニュアル書いた人か翻訳した人が何か勘違いしたんだろうと思っていました*1
ちなみに、CS3のヘルプにはそのような記述はありません。これは、前バージョンの記述が間違いであったことを裏付けていると考えられるでしょう。
いわゆる「仮名詰め組」をしたい場合には、迷わず「プロポーショナルメトリクス+メトリクス」とします。両方をチェックです。約物半角は「文字組みアキ量設定」で作ったものを適用。見出しなどは当然、+全体的にラッキング字送りにマイナス値+手作業で1字ずつカーニングです。「メトリクス」でペアカーニングが入っている場合、1字ずつカーニングを入れていくとペアカーニングが解除されて逆に字間が空く場合がありますが、かまわずタタタとカーニングを入れちゃいます。
オプティカルカーニング」。これは使いません。日本語組版でも欧文組版でもまず使う場面がないので、なくても困りません。初心者を惑わす余計な機能だと思っています。
「文字ツメ」と「オプティカルカーニング」、この二つの文字詰め機能は、なにかこう、作っちゃったから搭載しちゃった、みたいな感じがありますね。
これは私見ですけども。
細かく説明するときりがないのでこのへんで。

  • 結論:
    • オプティカルカーニング」は使わない。
    • 「文字ツメ」は使わない(たまに使う)。
    • 「プロポーショナルメトリクス+メトリクス」*2を使う。
    • 調整は字送りとカーニングで。

*1:ヘルプや公式マニュアルの間違いなどはアドビ製品に限らず「よくあること」です。ヘルプを丸写しした市販本によって同じ間違いが広がるのです。

*2:Illustratorでは「プロポーショナルメトリクス+自動」。InDesignのメトリクスとIllustratorの自動は同じもの。