段落スタイルは階層で管理すればいい。
なにかと複雑なインデザインの文字組みなんですが、段落スタイルに階層構造を作ると管理がしやすくなります。
すべての段落スタイルを「標準の段落スタイル」の子供にする(階層下に置く)ことで、文書全体の文字組みルールを意図通りに操れるようにするわけです。
最初に「標準の段落スタイル」を作ります。フォントとかはどうでもいいのだけど、12級ヒラギノ角ゴあたりで適当に設定しておき、文書全体の文字組みルールをここで決めます(もちろんあとから変更も可能です)。
図のように、標準スタイルを親として、「本文」と「標準スタイル(ツメ)」の2つの系統に分けます。「本文」は、グリッドを使用するもの、「標準スタイル(ツメ)」を親とするのは、見出しやリード文やキャッチコピーなどです*1。
段落スタイルを作成しない場合でも[段落スタイルなし]は使用せず*2、必ず「標準スタイル」か「標準スタイル(ツメ)」のどちらかを適用しながら作っていくわけです。
内容はだいたい以下のような感じになると思います。
- *標準スタイル
- *標準スタイル(ツメ)
- 本文
- 基準:*標準スタイル
- とした上で、
- フォント、サイズ等を設定
- グリッド揃え:仮想ボディの中央(横組みの場合は下でもいいかも)。
- 場合によっては、ルビの揃え方などを再調整。OTFのルビ用字形を使用したり。
文字組みアキ量設定は。
さて、文字組みアキ量設定ですが、既存の14種類はまったく使い物にならない(これ定説です)ので、オリジナルで作成します。
自分の場合、縦組みの本用/横組みの本用/横組みの本用(カッコ半角)/見出し用約物半角の4種類を用意しました。4つのうち、1文書に使用するのは基本的には2種類だけです。たいがいの仕事はこれで間に合っています。編集の意向でちょっと変更を加えることもありますけど。
だいたい以下のような内容。
- 縦組みの本用
- 段落字下げなしで始めカッコのみ全角、行末カッコは半角固定、行末句読点は全角固定(ぶら下がりは使う前提)、和欧間はちょっとアケ、和文と数字の間はベタ(数字は等幅半角字形を使う前提で)。
- ちなみに、縦組みの本の横組み部分にもこれを使用する。(原則として)使い分けはしない。
- 横組みの本用
- 横組みの本用(カッコ半角)
- 上記と同じ+カッコ類のみ半角。横組みの本ではカッコを半角にしたいという要望が多いので。
- 見出し用約物半角
ちなみに、行頭の1字下げは全角スペースを入れます。文字組みアキ量設定使って下げるのは意味不明。(そうしたければ)インデントでも使えばいいじゃんと思います。
せっかくなので、現在自分の使っている設定ファイルを下のアドレスに置いておきます。上記以外にも細かな調整を入れており、内容は予告なく更新するかもしれません。使うのは自由ですが、保証の限りではありません。
http://n-yuji.hatenablog.jp/entry/download
欧文と数字の扱い。
昔は、ソフトの機能が貧弱だったり、フォントの数字のデザインがおかしかったり、QXP+イージーコンポを使う前提だったりしました。そこで、少しものが分かってる人は、欧文と数字をすべて半角(プロポーショナル)に変換して組んでいたと思います。
しかし、InDesignを得た今では、以下のようなやり方が最も理にかなっていると思われるわけです。
- 縦組みの本の場合
- 数字は原則として全角入力、2桁のみ半角(等幅半角字形)。
- 縦組みの本の中の横組部分では、すべて半角(等幅半角字形)、または1桁のみ全角。
- 欧文も同様に全角入力し「縦組み中の欧文回転」は使用せず、横倒しにしたいものは半角入力する。
- 横組みの本の場合
- 欧文も数字もすべて半角(プロポーショナル)。