遠近法ノート

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

約物の名前――ダッシュとプライムの件。

http://www.dtp.il24.net/tubo/
DTP BBSの「ダッシュ入力の件」とそのリンク先を読んで、さらにWikipedia約物の項(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%84%E7%89%A9)などを参照し、今さらながら、あぁなるほどと思った。
印刷関連の本でダッシュ(―)のことを「ダーシ」と書いてある理由がようやく分かったような気がする。


まとめると、
「′」はダッシュではなくプライム。「′」をダッシュと読むのは英語の古い呼び名(これは数学教育が悪い)。
印刷関連の本で「―(ダッシュ)」のことをダーシと書いてあるのは、「′」と区別するためだったらしい。
しかし「′」はダッシュではなくプライムなのだから、ダーシなどという呼び方にはもはや意味がない。
※ちなみに「″」はダブルプライム。「―」は通常「――」二倍ダッシュとして使う。


以下は駄文――。
自分は「―」を常にダッシュと呼んでいたんだけれど(ダーシ? なんじゃそれ)、そういえば確かに「′」をダッシュと呼ぶこともあって、それでも不思議と混同することはなかった。仮名(かめい)と仮名(かな)を混同することがないような感じで、まったく別々の物として認識してたようだ。


ともあれ、出版・印刷業界の用語に出自のあやしいものが多い(ダブルミニュートとかねぇ)のは困ったことである。約物の名前なんかはいろいろな文献におまけ的に載せてあるが、ネタ元がいっしょだったりするのだから、あまり信用ならないのである。「業界用語」として業界内だけで流通してるぶんには、それでよかったのかもしれないが、これからはそうもいかないだろう。独特すぎる用語はかえって間違いを生むような気がする。
名前がはっきりしないものは使われ方もはっきりしない。いや逆か。使われ方がはっきりしないものは名前もはっきりしない……。