遠近法ノート

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

読者としてはとくに興味がない。

昨今話題の電子書籍ですが、一読者としては、ほとんど興味がありません。
電子書籍を巡る言説」にも興味がないです。まるで一昔前の、「パソコンだから何でも簡単にできるんでしょ」的な認識を持った方々の発言がTwitterのTLなんかに紛れ込んできたりして、心底うんざりさせられるんですね。
まあ、そんなことはさておき、出版物メインのデザイナーとしては、電子書籍・電子出版は、いちおう今後の仕事に関係してくるかもしれないわけで、何も知らないというわけにもまいりません。
その種の記事はなるべくはてブにクリップするようにしていますが、もっと全体的に現状と展望を知りたいと思ったので、とりあえず、下記の二冊を読んでみました。『電子書籍の基本からカラクリまでわかる本』、『ブックビジネス2.0』。両書とも、複数の著者が関わっている(ココわりと重要)本です。

電子書籍の基本からカラクリまでわかる本 (洋泉社MOOK)

電子書籍の基本からカラクリまでわかる本 (洋泉社MOOK)

ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系

ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系

前者が大まかな現状認識、後者が今後の展望ということになります。カバーのデザインからしてまったく対称的ですね。
前者はタイトルどおり、おおよその現状がわかります。いかにも急いで作った感のある本(どうもQXP+CIDフォント環境に見えるw)なのですが、テキストはおおむね悪くないです。
後者は玉石混淆。津田氏・長尾氏・野口氏のところは良かったですが、他はちょっと……。ボクちゃんの夢的な稚拙な作文が混ざっていてガックリです。また、どうやら校正というものをしていないらしく、ダブルクォーテーションをまんま放置。いかにも未来の出版はこうだという悪いお手本になっているのが印象的でした。