遠近法ノート

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

福田平八郎の「漣」を見てきたよ。

山種美術館にて開催中の「福田平八郎と日本画モダン」に行ってきました。
福田平八郎といえば、「漣」。さざなみ、です。この「漣」は教科書にも載っているような有名作なので、知らない人はあまりいないと思います。


↑これです。

これ目当てだったわけでもなくて、他の作も十分面白かったのですけど、「漣」はやはり一歩飛び抜けていますね。
まず、青の鮮やかさに驚きます。画集で見慣れていたから、余計にそう感じるのかもしれません。それから、背景の銀。これは実物見ないと分かりませんよ。そもそも、この作品は屏風絵なわけです。銀の屏風に群青で描いています。
その銀の屏風、説明を読むと、面白いエピソードが書いてありました。
表具屋に銀の屏風を発注したのに、間違って金の屏風が届いてしまった。出品まで時間もないので、金箔の上からプラチナを塗り直して描いたというのです。って、おいマジかよ!
確かに、背景の銀はただの銀ではなくて、うっすらと黄あるいは緑っぽい色が透けて見えるようで、微妙な深みがあります。

なんだか、印刷で使う銀インキのことを思い出してしまいます。