遠近法ノート(移転してきた)

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

改定案の下書き的ななにか。



JIS X 0213
7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化拡張漢字集合
http://www.jisc.go.jp/app/pager?%23jps.JPSH0090D:JPSO0020:/JPS/JPSO0090.jsp=&RKKNP_vJISJISNO=X0213
JIS X 0213規格票(p.76)(PDFでは07)

附属書4 表6 括弧記号
1-13-64 〝
1-13-65 〟

の「日本語通用名称」欄について、以下のように表記の改訂を求めたいと思います。
附属書7についても同様です。

ダブルミニュート → ノノカギ

これは、「名称は規格の範囲外」(JIS X 0213は、記号の名称を決めるものではなく、参考としてあげているだけ)であるという点を踏まえつつ、規格の表記には一定の影響がある(Wikipediaなどから参照されたり、ソフトウェアとその解説に実装されたりして、既成事実化する)ことを鑑みての改訂の提案です。

当該名称について:

「ダブルミニュート」という名称は、和製英語で意味が不明です。印刷・出版の現場でも、あまり使われていません。
この記号は、一般的には「ちょんちょん」と呼ばれることが多いです。『標準 編集必携』(日本エディタースクール、1987,1996)では「ちょんちょん,ダブルミニュート」と併記されていますが、日本エディタースクールの他の解説書『文字の組み方ルールブック』『校正必携』では、呼び名に「ちょんちょん」のみを載せています。他にも多くの呼び名があるようで、定まった名称はありません。
「ダブルミニュート」という呼び名は、上記『標準 編集必携』に記載され、その孫引きと思われるDTP入門書などで90年代末から少し広まった印象がありますが、90年代以前にはほとんど使用例がないと思います*1
他の多くのマイナーな呼び名の一つにすぎず、おそらくは、ごく狭い範囲の現場だけで使われていた用語と思われる「ダブルミニュート」という呼び名が『標準 編集必携』に載ってしまった理由はわかりかねますが、これを規格表の「日本語通用名称」欄に採用するにはふさわしくありません。
ただし、「ちょんちょん」では他の記号(〃など)と名前による区別がつきにくかったり、隠語として別の意味を持つといった問題があります。
そこで、「ノノカギ」という呼び名が間違いがなくてよいのではないかと提案いたします(一般向け国語辞典に使用例もあります)。
こちらはまったくの個人的見解になりますので、他にふさわしい呼び名があるならば、それを認めるにやぶさかではありません。複数併記あるいは空欄でもかまわないと思いますが、「ダブルミニュート」という名称表記には反対です。



……という内容のコメントを、JIS X 0213に対して投げてみたいと思っているのですけど、今のところ何をどうやったらいいのだかさっぱり分かっていません。
メールにて送ってみました。

また、これを踏まえて、日本語組版処理の要件(日本語版)に対しても、



3.1.1 縦組と横組で異なる約物など
http://www.w3.org/TR/2009/NOTE-jlreq-20090604/ja/#ja-subheading2_1_1
における「ダブルミニュート」表記について。
JIS X 0213等にならったものと思いますが、上述のように「名称は規格の範囲外」であり、一般的な用語でもなく、和製英語で意味が不明ですので、書き改めを提案します。



という意見を出したいわけです。

以下は、前提知識としてのメモ。

●横組みにも使われる
「ノノカギ」は横組みにも使います。正確に書くと、縦組みの本の中の横組み部分は、縦組みと同じルールで「ノノカギ」を使う場合があります。また、横組みの本に使用することも必ずしも間違いとはいえません。
多くのフォントで横組み用の「ノノカギ」文字キャラクタが用意されています。上に画像を入れましたが、JIS X 0213にも入っています。
●ダブルクォーテーションと共存する
「ノノカギ」はダブルクォーテーションの代替えではなく、共存します。ダブルクォーテーションは(欧文を引用したりするときに)縦組みの本にも使われます。

数年前に書いた記事ですが、こちらもご参照いただければと。
ちょんちょんの使い方(使われ方)まとめ。

*1:あやふやで申し訳ありません。必要であれば調査しなければなりませんが……。追記:写研の内部資料では70年代に「ダブルミニュート」という呼び名が使われている模様。