遠近法ノート

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

最近読んだ本。

楠本まき『A国生活』、吉田秋生『きつねのよめいり』、大島弓子『さようなら女達』、東浩紀『ゲンロン0 観光客の哲学』、丸山真男『日本の思想』。

A国生活 (フィールコミックス)

A国生活 (フィールコミックス)

きつねのよめいり (小学館文庫)

きつねのよめいり (小学館文庫)

さようなら女達 (白泉社文庫)

さようなら女達 (白泉社文庫)

ゲンロン0 観光客の哲学

ゲンロン0 観光客の哲学

日本の思想 (岩波新書)

日本の思想 (岩波新書)

最近手がけた本。

『改訂第3版 シェルスクリプト基本リファレンス』。長く手元に置く本なので、思い切ってシンプルに。銀・青・黒の3色刷。
このジャケットに使用した書体は開発中の例のやつなのです。

『Electronではじめるアプリ開発』。こちらは青の発色がとてもいい感じに出ました。

Androidを支える技術』は、シリーズ初の上下巻。かなり高度な技術書なんですが、コラムは僕でも読める面白さ。中面のデザインも丁寧に作ってます!

[プロ野球でわかる! ]はじめての統計学

[プロ野球でわかる! ]はじめての統計学

Swift実践入門 ── 直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語 (WEB+DB PRESS plus)

Swift実践入門 ── 直感的な文法と安全性を兼ね備えた言語 (WEB+DB PRESS plus)

Androidを支える技術〈I〉──60fpsを達成するモダンなGUIシステム (WEB+DB PRESS plus)

Androidを支える技術〈I〉──60fpsを達成するモダンなGUIシステム (WEB+DB PRESS plus)

最近読んだ本。

千野帽子『人はなぜ物語を求めるのか』、森見登美彦『ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集』、今日マチ子『センネン画報』、『ビギナーズ・クラシックス 枕草子』、『ビギナーズ・クラシックス 論語』、羽海野チカ3月のライオン 1〜12』。

センネン画報

センネン画報

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

論語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

論語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

新作フォント「N3ゴシック(仮称)」制作中です。

どうもです。
「フォントはじめました」とか言い始めてもうじき4年になる西岡です。当初は、ネタというかお遊びでフォントを作ってみるよという感じで始めたんですけれども、どうもそれではおさまらず、ちょっと本気を出してみることにしました。
今回の書体はゴシック体の仮名です。
これまではほとんど誰にも見せることもなくコツコツと作ってきました。今後は少し情報を出していくつもりです。ちなみに、今のところ何のアテもありません。
とりあえずティザーサイト的なものを作り、サンプル画像を置きました。

「N3ゴシック(仮称)」

http://n-yuji.info/index.php/totika-font3

なんでいまゴシック体を作った?

えーっとですね、フォントを使う側のデザイナーとして、既存のゴシック体にはずっと不満がありました。
そのうちいいのが出るのかなーと思いながら過ごしていたんですが、どうもいっこうに現れない。近年に出たアレもコレも自分が望んでいたものとは違ったのです。
それで、仕方がないから、自分にとっての「ゴシック体とはこうだよ!」をかたちにしてみたのが、今回のフォントです。王道というかストレートというかありそうでなかった普通のゴシック体なのです。既存ゴシック体のどこがどう不満でN3ゴシックはそれらとどう違うのか、という点については……

ゴシックはゴシックなんです!

全く先行様式を無視したゴシックはない。ゴシックのスタイルは本質的に過去の遺産の変奏と言ってよい。ただしその過去は実のところ一度もあったことのない架空の過去だ。
高原英理『ゴシックハート』

さて、唐突に引用なのですけれど、この文章、あたかも書体製作の話のように読める人もいるんじゃないでしょうか? これは、高原英理さんの『ゴシックハート』から引いた一節で、この「ゴシック」は書体のゴシック体のことでありません。ゴシック建築に始まり、ゴシックロマンスから現代の「ゴス」(ゴスロリのゴスです)に至る、美意識というか趣味の系譜のお話なのです。僕は、書体のゴシック体も「ゴス」につながるものと思っていて(というかわざとそのように誤読して)、その意識を反映させたわけです。が、すみません、この段はぜんぜん理解してもらえなくていいです……。
先日文庫版が出たので、いちおう貼っておきます……。

ゴシックハート (立東舎文庫)

ゴシックハート (立東舎文庫)

さておき

さて、細かいところにはまだ調整の余地があるものの、デザインのクオリティには自信があります。この自信というのは、「自分に対しては嘘偽りがない」という意味でして、自分が欲しかったフォントはコレなんですが、他人に受け入れられるかどうかはさっぱり判断がつきません(つまり自信はないということです)。ただ、客観的に見て(客観的に見て?)、そこいらの市販フォントに劣らないレベルには達しているとは思います。

現状と今後の予定

実際に使用することで見えてくるものもありますので、自分の仕事で使いつつ、デザインに微調整を入れています。
N3ゴシックは仮名書体なので、漢字その他を製作する予定はありません(漢字とか1人じゃ無理無理!)。現在、レギュラーとボールドの2ウエイトの仮名があります。この2ウエイトでは、組み合わせるフォントが限られますから、ウエイトの間を細かめに取り、各社のゴシック体の漢字と合わせて使えるようにファミリーを作成します(といいつつ使い方がまだよくわかっていない)。

販売について

販売についてはまだ未定です。もう少し先になります。
たぶんDLmarketさんあたりに委託することになると思います。前作のように自前の販売にこだわるわけではまったくないので、各種問い合わせもお待ちしております。

名前について

フォント名は仮です。コードネームです。本当は用意していた名前があったんです。それは、ひらがな4文字・鳥の名前で、先日発表された某フォントと若干イメージがかぶってしまいました。マネしたふうに思われるとアレなので、再考中です。いい名前が浮かぶといいんですけれども。

応援よろしくおねがいしまーす

最も効果的な支援は、僕に仕事を依頼することです。
N3ゴシックは、2ウエイトがすでにフォントとして使用できる状態になっていて、機会を見つけて使っていきます。書籍編集者の皆様におかれましては、(この書体を使うかどうかはさておき)ぜひとも装丁等をご依頼いただければ。

最近読んだ本。

高原英理『不機嫌な姫とブルックナー団』、ほしおさなえ活版印刷日月堂』、田中圭一『うつぬけ』、『ゲンロン4』。

不機嫌な姫とブルックナー団

不機嫌な姫とブルックナー団

ゲンロン4 現代日本の批評III

ゲンロン4 現代日本の批評III