遠近法ノート(移転してきた)

本好きのデザイナー、西岡裕二の日記帳なのです。デザインと読書について書くはず。

最近手がけた本『アニメーショングラフィックス 2013』

CGWORLD誌のアニメ記事をまとめたメイキング本です。
表紙と中面のフォーマットデザインを担当しました。姉妹本である『ゲームグラフィックス 2012』を踏襲しつつ、新しく工夫も入れて、いい感じの誌面に仕上がってると思います!

さてさて、ほんの数年前まで日本のアニメにおいて3DCGは、画面の賑やかし、ある種の省力化として、部分的に使われていたものでした。
それがここ数年のうちに、絵作りに欠かせない要素となってきました。CGエフェクトや3Dでアニメの絵がだんだんリッチになってきているのは、素人目にも明らかですよね。
特に、今年放映されたいくつかの作品では、3DCGの使い方が日本アニメ独自の方向に照準を定めてきたと感じます。
それは、手書きの作画がリアルな3DCGに取って代わるのでは、まったくありません。
リアルな3DCG……というのは、ルネサンス遠近法の延長線上にある「作図」の技法です。作図はいわば数学的な問題であって、いかに精確に描いたとしても、それはそれだけのもの。その行き着く先はまあ、FPS的世界でしょうか*1
日本のアニメは、もとから、そうじゃない方向に舵を切っています。ウソのないリアルではなくて、虚構的なリアルのほうを取る。3DCGも、より「ウソをつく」方向へと、確信を持って進んでいるわけです。
過渡期の作らしく二つの世界の半分を3DCGで描いた「ブラック★ロックシューター」、MMDっぽくてなおかつ手描き絵のように見える「スマイルプリキュア!」ED、背景を動かすことで情感を表現した「おおかみこどもの雨と雪」、ウソをつくのが難しい3D立体視に挑戦した「009 RE:CYBORG」などなど……*2
一視聴者に過ぎない僕は驚きつつ見守るばかりなんですけども、まだまだこれからの進化が楽しみでもあります。

*1:もちろん、そっちはそっちで突き抜けた作が出てきてますが。

*2:本書には出てませんが「記憶の映像」を描いてみせた「ねらわれた学園」も印象的でしたね。