弥生美術館にて開催中の「竹中英太郎と妖しの挿し絵展」に行ってまいりました。
まあ普通の人はご存じなわけありませんが、竹中英太郎とは、江戸川乱歩や夢野久作の妖美な挿絵で、ごく一部では有名な画家さんなのであります。
大変見応えのある展示でした。
さて、それはそれとして、
竹中英太郎=パブロ・ロペス!
1年ぐらい前だったか、僕は五木寛之の長編伝奇小説『戒厳令の夜 上・下』を古書店で買い求めて読みました(荒俣宏先生が推していたから前々から気になっていたんですよね)。この物語の骨子は、幻の天才画家パブロ・ロペスの謎を追うというもので、のちに映画化もされました(観てませんけど)。
その映画化の際に、架空の画家であるパブロ・ロペスの絵を描いたのが、竹中英太郎だったのです。
虚構に虚構を重ねたようなものですが、小説の中に出てきた幻の絵が、厳然としてそこに展示されていたわけです。
これには少々驚きを禁じ得ませんでした。
そんなわけで『戒厳令の夜』ファンの人は見に行ってみるといいと思います。